長期優良住宅
大阪で建てる、長期優良住宅
皆さんは長期優良住宅という言葉を聞いたことがありますか。これから家を建てようという方には関心が高い言葉かもしれません。
「長期優良住宅」に関する法律や、メリットなどを木造一戸建て住宅の場合についてまとめてみました。
長期優良住宅のポイント
理解のためのポイントを手短にまとめました。
長期優良住宅とは
一定の基準を満たした住宅を所管行政庁(都道府県知事又は市区町村長)が認定
設定の基準は?
認定の基準は木造一戸建ての場合、劣化対策やエネルギー性など7つの項目で基準を満たすことが必要。
※7つの項目に関しては下記で説明しています。
認定を受けると
・ローン減税(控除率1%→1.2%など) ・その他の税制優遇措置 ・ローンの優遇措置(フラット35S)
木造住宅と長期優良住宅
住宅を長期にわたり使用することにより、住宅の解体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を低減するとともに、建替えに係る費用の削減によって国民の住宅に対する負担を軽減し、より豊かで、より優しい暮らしへの転換を図ることを目的に平成21 年6 月に施行されたのが「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」です。
国産材を中心とした木造長期優良住宅の普及
同法の基本方針には、国産材利用のメリットおよび、木材を利用した長期優良住宅の普及がはかられるよう配慮することについて明記されています。
国土交通大臣は、国産材の適切な利用が確保されることにより我が国における森林の適正な整備及び保全が図られ、地球温暖化の防止及び循環型社会の形成に資することにかんがみ、国産材その他の木材を使用した長期優良住宅の普及がはかられるよう配慮するものとする。
(「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」 第二章 基本方針より)
地域材と大工さん
持続可能な社会を実現するためには、地域の木で家をつくって森林環境を整備する必要があります。つくった家を長く守っていくためには大工さんなど技能者が必要です。長期優良住宅の普及の促進に関する基本的な方針では、地域材の使用、技能者の育成など「伝統的な技術の継承および向上に配慮する」とされています。
長期優良住宅の普及の促進のための施策を講ずるに当たっては、住生活基本法の趣旨を踏まえ、地域材の利用、技能者の育成など、住宅の建設における木材の使用に関する伝統的な技術の継承及び向上に配慮する。
(国土交通省告示第二百八号 長期優良住宅の普及の促進に関する基本的な方針より
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」とは?
家を作っては壊す「フロー型社会」から、長持ちさせて価値ある社会資産を作る「ストック型社会」への転換を目指して作られた法律です。ここではその法律の内容を見ていきます。
どんな法律?
一定の基準を満たした住宅を長期優良住宅として、所管行政庁(都道府県知事又は市区町村長)が認定し、税制面での優遇などを受けられるというものです。
長期優良住宅の7つの基準(新築一戸建て)
新築木造一戸建て住宅の場合には、長期優良住宅の認定には次の7 つの基準があります。
■劣化対策
数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること
通常想定される維持管理条件下で、構造躯体(建物の骨組み)の使用継続期間が少なくとも100 年程度となる措置が必要です。(劣化対策等級3相当)
点検やメンテナンスの実施しやすさのために、次の2 点が求められています。
・床下と小屋裏(屋根と天井の間の空間)の点検口を設置 ・点検等のため床下空間に一定以上の高さを確保(木造の場合には330mm 以上)
■維持管理・更新の容易性
「構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること」
建物を長期に使用すると、途中で取り替えなければならない部分が出てきます。それを骨組みに影響を与えずに行なわなくてはなりません。水道やガス管、下水管などの取替えを、骨組みに影響を与えず行えるようにすることが求められています。(維持管理対策等級3相当)
■耐震性
「極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修を容易にするため、損傷レベルの低減を図ること」
耐震等級2 以上(3 が最高等級)
建築基準法の基準(耐震等級1)の1.25 倍の地震に耐えることが求められます。これは、病院や学校などの耐震性能と同等で、耐震等級最高等級の3 になると消防署や警察署等、防災の要となる建造物と同等の性能になります。
■省エネルギー性
「必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること」
省エネ法に規定する平成11 年省エネルギー基準(次世代省エネ基準)に適合することが求められます。屋根、床、壁、天井、開口部の断熱性能を高くすることが求められます。
■居住環境
「良好な景観の形成その他の地域における住居環境の維持及び向上に配慮されたものであること」
地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和が図れることが求められており、 所管行政庁により、詳細な基準があります。都市計画道路などの予定地では認定が得られないなどの制限があります。
■住戸面積
「良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること」
住みやすさの点から、住宅に一定の広さが要求されます。木造一戸建ての場合、少なくとも一の階の床面積が40㎡ 以上(階段部分を除く面積)、床面積の合計が75㎡ 以上(2 人世帯の一般型誘導居住面積水準)であることが必要です。ただし、55㎡(1 人世帯の誘導居住面積水準)を下限として、所管行政庁により、引上げ・引下げられることがあります。
■維持保全計画
「建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること」
(1) 構造耐力上主要な部分
(2) 雨水の侵入を防止する部分
(3) 給水・排水の設備
について、点検の時期・内容を定め、「維持保全計画」( 認定に必要) に記載しなければなりません少なくとも10 年ごとに点検を実施することが求められ、最低30 年間の実施が義務付けられています。
住宅履歴情報
住宅履歴情報とは、ご自身の家がどのように建てられ、その後どんなリフォームを行い、そしてどんな維持管理をおこなっているのか等を記録したものです。この記録をとっておくことで、リフォーム時や維持管理時に有効に活用できるほか、売買時にも重要な資料として取り扱われることになります。長期優良認定住宅では、この記録をつけることが義務付けられています。
法律制定の背景と目的
「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」制定の背景と目的について
法律の背景
平成18 年6 月「住生活基本法」の制定により、これまでの「住宅の量の確保」から、「住宅の質の向上」へ政策の転換を図ることが明確になりました。
つくって壊すフロー消費型社会から、「いいものをつくって,きちんと手入れして、長く大切に使う」というストック型社会への転換の流れの中で、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が制定されました。日本の住宅は欧米に比べて非常に短い期間で建て替えられてきました。それを、いい家を建てて長く住み継いで行く社会に変えて行くことによって、様々なメリットが生じます。
住宅を長く使うメリット
■環境負荷の低減
家を壊さないことで、直接的な産業廃棄物が少なくなります。
■地球温暖化の防止・循環型社会の形成
木造住宅では、木がCO2 を吸収して固定化しているので、国産材を使った家を建てて長く住んで行くことは、地球温暖化防止に役に立ちます。
■国民負担の軽減
住宅の建て替えには、費用がかかります。1回建てたら、きちんとメンテナンスをして数世代に渡って使い続けることで、建設、取得、維持保全全体の費用は圧縮できると考えられます。
■国民資産の向上
今は土地に資産価値が集中していますが、建物の資産価値を上げることで、より豊かな社会となることを狙いとしています。長期優良住宅の普及を促進することで、環境負荷の低減を図りつつ、良質な住宅ストックを将来世代に継承し、より豊かでやさしい暮らしへの転換を図るのがこの法律の目的です。
減税
長期優良住宅の認定を受けると、税制面で様々なメリットがあります。
住宅ローン減税
住宅ローン減税制度は、消費税の引上げにあたり、住宅取得者の負担を軽減するべく施行された制度です。毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除されます。長期優良住宅ではない一般住宅においても住宅ローン控除はされますが、長期優良住宅においては一般住宅よりも最大控除額が多く設定されています。一般住宅では400 万円の最大控除額が、長期優良住宅の場合は、最大500 万円となります。(平成26 年4月~平成31年6月居住開始の場合)
■最大控除額 500万円(50万円×10年)
■控除率、控除期間 1%、10年間
■住民税からの控除上限額 13.65万円/年(前年課税所得×7%)
■主な要件
①床面積が50㎡以上であること
②借入金の償還期間が10年以上であること
投資型減税
住宅ローンを組まずに住宅を取得した場合、上記の住宅ローン減税を利用することができません。長期優良住宅の場合は自己資金のみで取得する場合にも所得税が控除される制度、投資型減税制度があります。標準的な性能強化費用相当額(上限1000 万円)の10% 相当額が、その年の所得税額から控除されます。木造住宅の場合、標準的な性能強化費用は床面積1平方メートルあたり3.3 万円とみなされ、例えば、床面積100 平方メートルの家の場合、相当額を330 万円とし、その10%の33 万円が所得税から控除されます。(控除額がその年の所得税額を超える場合は、翌年分の所得税額から控除)
住宅ローンの優遇など
住宅ローンの優遇などが受けられます。
住宅ローンの優遇
住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して供給する、長期固定金利の住宅ローン【フラット35】では、対象となる住宅の質について、支援機構の独自の技術基準が定められています。
【 フラット 35】の金利が一定期間引き下げられる【フラット35】Sでは、この技術基準のレベルはさらに上がります。しかし、長期優良住宅なら、この基準を満たしていますので【フラット35】S の利用が可能です。【フラット35】の金利が当初10 年間、年0.6%引き下げられます。
※ 平成27年2月9日以降の資金お受け取り分から平成28年1月29日までのお申込受付分に適用
ただし、予算が尽き次第前倒しで終了となる場合もございます。
住宅エコポイント
長期優良住宅は、住宅エコポイントの発行基準「省エネ基準( 平成11 年基準) を満たす木造住宅」を満たしていますので、「エコ住宅の新築」として30 万ポイントの発行が受けられます。